パーキンソン病、よく似た症状の間違いやすい病気があります①


脳血管障害、神経変性疾患など

 

脳血管障害や神経変性疾患、頭部の外傷、または一部の薬が原因となって
パーキンソン病に似た症状を起こすことがあります。
適切な治療を受けるためには、パーキンソン病なのか、それ以外の疾患なのかを
区別する正確な診断が大切です。

 

 

 

●本態性振戦

一定の姿勢をとった時に手や頭がふるえたり、
ある動作を行おうとすると于や足がふるえたりします。

パーキンソン病のふるえとは異なり、安静時には起こりません。
また、家族性の発症が多く、飲酒によって症状が改善するという
特徴もあります。

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●脳血管障害

脳梗塞が多発することによって、大脳白質(特に前頭葉)が
広く障害されると、小刻みの歩行を中心とした、パーキンソン病に
よく似た症状が現れることがあります。

パーキンソン病との違いは、安静時にふるえない、
歩行障害や姿勢反射障害などの下半身の症状が中心となって
現れるなどです。

MRIやCTなどの画像検査で大脳白質病変の有無を
確かめられるので診断がつきます。
ただし、なかにはパーキンソン病を併発するケースもあります。

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●水頭症
くも膜下出血や髄膜炎、頭部の外傷などにより、脳室内や脳表の
脳脊髄液の循環の状態が悪くなると、水頭症が起こります。

特別な原囚がないのに、循環が悪くなることもあり、
これは「正常圧水頭症」と呼ばれます。

症状としては、認知障害、歩行障害、排尿障害(失禁)がありますが、
パーキンソン病の特徴の一つである手足のふるえは起こりません。
MRIやCTといった画像検査などからこの疾患である可能性が
考えられます。

 

●線条体黒質変性症(SND)

最近では多系統萎縮症(MSAIP)と呼ばれます。
線条体を中心とした神経系が変性して起こります。

初期から歩行障害が起こり、手足のふるえは少なく、
起立性低血圧や排尿障害(失禁)も早い段階から目立ちます。

症状の左右差が少ないとされていますが、
初期にパーキンキンソン病と区別するのがもっとも
難しい疾患です。

また、進行がより早いのも特徴です。
MRIによる画像診断の進歩で、近年は診断しやすくなっています。

多系統萎縮症は、脊髄小脳変性症とも呼ばれ、ほかに、
自律神経系の症状が起こるシャイ・ドレーガー症候群(SDS)」、
小脳の障害による運動失調が起こる
「オリーブ・橋・小脳萎縮症(OPCAまたはMSA-C)」があります。

 

●進行性核上性麻蜂(PSP)

中脳が萎縮することによって起こる病気で、囚縮、動作の緩慢が
起こりますが、手足のふるえはほとんど見られません。

姿勢反射障害が初期から起こり、転倒が多く見られることが特徴です。
MRIで脳を横から見ると、中脳が萎縮してハチドリのクチバシのように
細くなっている像が認められます。

 

 

パーキンソン病、よく似た症状の間違いやすい病気があります②


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