パーキンソン病、よく似た症状の間違いやすい病気があります②


●大脳皮質基底核変性症(CBD)

黒質・線条体の変性とともに、大脳皮質、特に頭頂葉や
前頭葉に顕著な萎縮や神経細胞の脱落が起こる疾患です。
通常は、片側の上肢の動きがぎこちない、もしくはうまく
使えないなどの運動症状が最初に現れ、次第に両側に症状が
進み認知障害も出てきます。

パーキンソン病より進行がやや早い傾向があります。
症状が左右対称ではなく、固縮、無動、ふるえ(動いている時に多い)
なども現れるため、パーキンソン病との区別が難しい場合があります。

頭部MRIで非対称性の頭頂葉萎縮(症状のある上肢の反対側で顕著)が
認められ、脳血流シンチグラフィー(SPECT)でも障害がある側に
顕著な脳血流の低下が見られるため、判別できることかあります。

パーキンソン病と同じような治療が行われますが、効果が
はっきりしない例が多いとされています。

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●レヴイ小体型認知症
レヴィ小体とは、パーキンソン病で変性した神経細胞の中に
多く見られる異常なたんぱくのかたまりのことです。

このレヴィ小体が大脳皮質にも多数現れ、早期から認知障害を
引き起こす病気です。

鮮明な幻視を中心とした幻覚症状や、認知障害の変動
(時間や日によって症状にムラがある)が特徴とされています。

脳血流シンチグラフィーで検査すると、脳の後頭葉を中心に
血流低ドが見られることがあります。

心筋シンチグラフィーで検査すると、パーキンソン病と同様に
交感神経が影響を受けているため、心臓への放射性同位元素の
集積低下が認められます。

 

●ウィルソン病
体内の微量金属である銅が肝臓の細胞に沈着する
代謝異常の病気です。血液中に過剰となった銅が脳にも沈着し、
パーキンソン病によく似た症状を生じさせることがあります。

血清銅やセルロプラスミン値(血液中に見られる銅輸送たんぱく)、
尿中の銅排出量を検査すると、異常がみられるのでわかります。
MRIも診断の参考になります。

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●甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンが不足する病気です。ホルモンの低下で
パーキンソン病と区別しにくい症状が現れることがあります。

ホルモンの異常は血液中の甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンを
検査するとわかります。

●薬剤性パーキンソニズム

抗精神病薬や抗うつ剤、抗潰瘍薬、降圧剤、消化器系の薬剤
(吐き気止めなど)といった一部の薬を飲むと、パーキンソン病の
ような症状を起こすことがあります(パーキンソニズム)。

服用をやめると約2~6週間で症状が改善するか、消失することが
多いとされています。

 

 パーキンソン病を発症しやすい人はいます


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